お疲れ様です。たき(元T)課長(@Nya540720)です。
「管理者になったら残業代が出ないらしいから昇格したくない」そんな不安や悩みを抱えながら仕事をしていませんか?
営業会社の管理職経験10年以上で、労働問題にも関わったことがある私が断言します。
残業代は役職の名称ではなく、職務内容によって、出るか出ないかは判断されます。
上司から「おめでとう!来月から管理者に昇進するゾ!」と言われたとしても、貴方の仕事内容が誰かに管理されていたり、上司の指揮系統の下で業務を行っているようであれば、残業代が出る可能性が高いです。
管理者という立場が、管理監督者に該当するかどうかが争点です。
良く上司や会社から、
管理者への昇進おめでとう!(残業代出ないけどね)
ありがとうございます!(残業代のことは聞きにくいなぁ)
こんな、やり取りで「職務内容と残業代の件」がおろそかになっていることが良くあります。
「何となく、管理者って呼ばれているから残業代が出ないのが当たり前」と思っている方が多くいますが、そんなことはありません。
しっかり、自分の職務内容が『管理監督者』の規定に当てはまるか確認しましょう。
この記事を読めば、
- 管理者と残業代の関係が分かる
- 管理監督者の意味が分かる
- 退職するときの準備ができる
昇進した直後なら労働条件よりも、上司に仕事振りを評価してもらった嬉しさが大きいため気にならないと思います。
しかし、長く働く会社だからこそ、自分の職務内容と責任と権利はしっかり理解しておきましょう。
これは、現在すでに上級管理者になっている方や経営層の方からすれば、リスクマネジメントとしても大事なことです。
労働問題の当事者になる前に、自分の職務内容を理解することが大事です。
ぜひ最後まで読んで、『管理者と残業代の関係』を理解しましょう。
管理者は残業代出ない?職務内容によっては残業代が出る可能性がある!
冒頭でも書いていますが、管理者に残業代が出るか出ないかは、職務内容によって変わります。
管理者として残業代が出ないのは、貴方が労働基準法上の「管理監督者」に該当するかどうかです。
管理監督者に該当する場合は、残業代は出ません(会社は支払の義務はありません)
管理監督者に該当するかどうかは、以下の3点に該当するかどうかです。
- 職務内容、権限及び責任に照らし、労務管理を含め、企業全体の事業経営に関する重要事項にどのように関与しているか
- その勤務態様が労働時間等に対する規制になじまないものであるか否か
- 給与(基本給、役職手当等)及び一時金において、管理監督者にふさわしい待遇がされているか否か
読めば分かりますが、会社の中でもだいぶ上位の、いわゆる経営層といわれるような位置づけの方と同等の仕事をしていることが、管理監督者に該当する条件となります。
しかし、前提としてなぜ管理監督者は残業代が出ないのでしょうか?
次の章で説明します。
管理者(管理監督者)は一般従業員とは待遇が違う|良い意味で
管理者(管理監督者)は、一般従業員とは一線を画すほどの良い待遇を受けているため、残業代が支払われません。
- 給与(基本給、役職手当等)及び一時金において、管理監督者にふさわしい待遇がされているか否か
また、管理者(管理監督者)に該当する場合は、労働条件に関しても扱いが変わります。
- 労働時間に関する決まりが適用されない(※1)
- 必ずしも休憩時間を設定する必要はない
- 休日に関する決まりも適用されない
※1深夜残業代は出る
なんとなく、管理者(管理監督者)が良い待遇になっているから、労働条件が一般社員と違うこと分かったと思います。
しかし、なぜ「管理者(管理監督者)が一般社員と違う」根拠はどうなっているのでしょうか?
次の章で解説します。
管理者(管理監督者)と一般の労働者の扱いは異なる理由
管理者(管理監督者)と一般の労働者の扱いは異なる理由は、それは、管理監督者の地位の特殊性に理由があります。
つまり、管理者(管理監督者)は、その性質上重要な職務を任されているので、一般の労働者と同様の労働時間規制に限定されることは無く、勤務時間についてもある程度自由な裁量をもつため、一般労働者と同じような厳しい労働時間規制によって保護する必要性が低いと考えられているためです。
第四十一条
引用:労働基準法
二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
管理者(管理監督者)は、偉くて自由で給料が多いから、厳格な保護や援助は必要ないという感じですかね。
貴方が管理者と呼ばれていたとしても、上記内容にそう待遇で仕事をしているかどうかが重要です。
管理者とは、呼ばれ方ではなく実際の職務内容が管理監督者かどうかが全てです。
貴方が残業代を貰えるかどうかをチェック!|ショックに注意
貴方が会社から管理者と呼ばれていたとしても、実際の職務内容に照らし合わせて残業代が貰えるかどうかを確認してみましょう。
- 遅刻・早退にペナルティがある
- 休みの日数が決められている
- 出勤・退勤が管理されている(※2)
- 労働条件通知書を交わしている
- 給料が他社員と比べて格段に高い
- 他社員の昇格降格の人事権がある
- 社員採用の人事権がある
- 会社全体の経営に関わっている
- 役員と比べ待遇にそん色がない
(※2)社員の体調管理のための出退勤の管理は認められている
上記内容に合致しているならば、管理監督者となりますので、残念ながら残業代は出ません。
しかし、該当しないようであれば管理監督者とは言えないため、残業代を貰う権利があります。
いやいや、一般の従業員よりも、ちょっと給料良いぐらいっすよ?
そういう場合は、注意が必要です。
いわゆる、名ばかり管理職といわれる方は、会社からは管理者という呼称で優遇されているように印象操作され、実際には労働力を搾取されているだけケースは中小企業にはたくさんあります。
現実には、該当する箇所と該当しない箇所があると思いますので、職務内容と権利のすり合わせを会社と行う必要があります。
これは、貴方が労働者としての権利として残業代を求めることは当然ですが、仮に貴方が上級管理者(部長・役員)の場合は、部下の管理者との労働問題を未然に防ぐためにも、権利と義務の知り合わせは必要です。
働き方や価値観の多様性に伴い、労働者の権利意識も強くなっています。
労働問題に発展してしまった場合は、問題の解消に多大な労力掛けることになってしまいますが、売上や会社の成長に寄与する仕事ではないため、生産性は低く、ストレスばかりが残る仕事になります。
事前に職務内容と権利のすり合わせをしておくことは、重要なリスクマネジメントです。
名ばかり管理者として搾取されているなら|勇気をもって会社と交渉
貴方が会社に職務内容のすり合わせの交渉をしても認めてもらえない場合、名ばかり管理者として労働力を搾取されている場合は、環境の変化を考える必要があります。
おそらく管理者になった貴方は真面目に仕事に取り組み、結果も出し会社に貢献してきた自負もあると思います。
しかし、管理者になると全体の成績が自分の評価になりますので、一般社員の時のように簡単に結果を出すことは難しくなります。
貴方が、どうしても管理職として正当な評価を貰えないなら、今の環境を変化させ、一般社員に戻ってプライベートの時間を充実させることも選択肢の一つです。
また、人事評価を正当に実施している会社へ転職する選択肢もあります。
今の仕事に不自由を感じ、ストレスが大きいなら環境を変化させましょう。
私は、真面目で頑張り屋さんの管理者が、頑張り過ぎて体調や精神面を崩した先輩をたくさん見てきました。
無理に頑張る必要はありません。
会社に依存する時代は終わりました。
貴方を必要としている会社はたくさんあります。
管理者になるような実績があるなら、貴方はどこに行っても出世することでしょう♪
>>>中間管理職が降格する場合と転職する場合の解説はこちらへ
交渉決裂!自分の正当性を主張する反撃準備4選
前章で、自分の職務内容と権利について会社と交渉すべきという解説を行いました。
しかし、現実的に貴方の主張が全面的に認められることは少ないと思います。
上司に自らの権利について主張した場合、上司が寛容で労働問題に理解がある方であれば問題ありませんが、貴方の評価や待遇が悪くなる可能性もあります(そうなったら別の労働問題)
- 交渉が決裂した!
- 仕事で嫌がらせを受けた!
- 降格させられた!
そんなことが起きたら、反撃のターンです!
いきなり上司と口論となり、「こんな会社辞めてやる!」と感情的に退社の意志を伝えることは厳禁です。
不当な扱いを受けていることの状況証拠を揃えましょう。
- 勤務状況の証拠(タイムカード・ログデータ)
- 改善の主張した証拠(メール・書類・手帳等)
- 冷遇されている証拠(メール・書類・手帳等)
- 面談の内容(手帳・日記・録音)
残業代の未払いについては、勤務状況の客観的な証拠を残すことが重要です。
タイムカードで勤怠管理されている場合は、コピーを取りましょう。オンラインで管理されている場合は、ログデータ、もしくは画面印刷して残しましょう。
タイムカードもない場合は、出退勤の手書きもメモでも構いませんので、手帳などに残しておきましょう。
また、その時の状況を日記にまとめておくことも効果的です。
当時の心境やストレスの有無なども分かり易く残しておきましょう。
労働問題に発展した場合は、客観的な事実が争点になりますが、必ずしもデータなどの数値でしか判断されないわけではありません。
日記やメモでも十分に考慮されます。
これは、私が10年以上管理職として経験してきた負の経験として、実際に労働基準監督署の担当官とも話し合った内容を基にしています。
労働問題になった場合は、基本的に労働基準監督署や法令は労働者の味方ですので、安心して集められるだけの状況証拠を集めるようにしてください。
まとめ 管理者は残業代出ない?残業代が出る可能性と未払いの反撃準備4選♪
管理者は残業代出ない?職務内容によっては残業代が出る可能性がある!について解説しました。
意外と管理者が残業代が出ない理由を知らない方も多いと思います。
残業代が出るか出ないかは、
これが分岐点です。
貴方が名ばかり管理者なら残業代を貰える可能性が高いです。
れっきとした管理監督者なら残業代はもらえません。
この記事を読んでいる人で管理監督者なんていないんじゃね?w
確かに、管理監督者の方なら、待遇も給料も良いですので、残業代を気にする人はいないと思います。
貴方が正当な評価を受けていないと思うなら、環境の変化をすべきと前の章で解説しました。
「不満があったらすぐ転職しましょう」と推奨しているわけではありません。
地道に会社と交渉を重ねて、今後の管理職候補のために捨て石になっても構わないと思う方もいらっしゃると思います。
しかし、経営層から見れば、現実的に名ばかり管理者は会社の歯車の一つです。
歯車のスペアは他から探してくれば替えが効きます。
最初は動きがおかしくても、やがて歯車として馴染んできます。
会社はどうしても、社長をはじめ経営層が得する組織です。
そんな会社に、ストレスを感じながら身を捧げる必要はないと思いませんか?
転職エージェントや求人サイトを活用して、貴方に最大の評価をしてくれる会社を探しておくことは大事です。
管理者ともなれば、家族や養っている人もいると思います。
貴方の将来は家族や大切な人たちの将来にも関係してきます。
貴方とあなたの大切な人たちにとって、「最善の仕事は何なのか?」は常に探し続ける必要がある時代になったと思います。
まずは、転職エージェントの無料登録から最善の仕事探しを始めましょう♪
それでは、今日も1日、お疲れ様でした♪
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